議会
ある議案の議決に反対しました。
理由をきちんとお伝えしたい。
昨日、議会が閉会しました。最終日は、これまで審議してきた議案※に対して賛否を表明し、議決を行う日です。
私はその中でいくつかの議案について反対をしましたが、1点について反対理由をお示ししたいと思います。
それは、区長と副区長の報酬を減額する特例条例への反対です。
減額、いいじゃないか!なぜ反対する?と誤解されかねないかなと。
これは、先日発覚した目黒区職員(ケースワーカー)が生活保護受給者の預金を着服した件について、区政への信頼を損ねたことへの責任を取るものです。
目黒区公式ホームページの目黒区報道ニュース
この時点では着服額は32万円とのことでしたが、その後さらに調べた結果、5世帯から444万円を着服していたことがわかりました。
NHKニュースウェブ/2017.12.6
昨日の委員会では、着服を行なっていた期間にその当該者をマネジメントする立場にあった部長、課長、係長についても減給や戒告(地方公務員法で定められている懲戒処分は重い順に、免職→降任→停職→減給→戒告)の処分が決定されました。 また、再発を防止するために有識者を交えて「生活保護受給者預金等着服事案に係る再発防止委員会」が11月22日に発足されたことも区から報告されました。
事件の解明が進み、再発防止策も立てられる予定、そして区長・副区長の報酬を減額する、これでいいではないか、賛成!とは私は思いませんでした。
まだ事件の解明は終わっていないし、再発防止策もどの程度有効なものが出てくるのかわからない。そして区長と副区長の報酬減額は1ヶ月の30%=約57万円であり、ことの重大さに比べてあまり納得がいかない(特にまだ再発防止策も出ていないのに一ヶ月という期間が一番納得いかない)。
私が議員になってからの不祥事といえば、2016年2月に課長と係長がタイムカードを押さずに遅刻などの勤怠状況を勤怠管理システム上の操作でないものとし、その働いていない分の給与も受け取っていたという事件がありました。 一つ事件があればそれは氷山の一角であり、組織が緩んでいるサインだと受け取るべきでしょう。
委員会の審議の最後に意見・要望を伝える機会があり、以下の通り申し伝えました。
「2016年2月に発生した、職員による勤怠管理を不正に操作した事件の後も組織の不祥事再発を防止するための策が練られなかったことを残念に思います。
今回の不祥事について、区民の信頼を損ねた責任を区長・副区長の報酬を減額することで、重く受け止めた姿勢を示すものと理解しているが、起きたことへの責任よりも、今後発生しないことに責任を果たしてもらいと思う。
それには、コンプライアンスを確立するまでの期間、報酬を減額することや今後同様の不祥事が発生した場合には、現状よりもさらに大幅な報酬を減額する規定の整備に努めることを要望し、本議案に反対する。」
しかし、議決の結果、私ともう一名の無会派議員のみが反対し、賛成多数により本条例は可決されました。
(※ 議会で審議・議決するために挙げられる条例の制定や改定の原案)