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「街のイスキア」スタート!※終末期緩和ケアの訪問ナースステーション
目黒区庁舎近く、駒沢通り沿いに板に堂々とした字で書かれた「街のイスキア」の看板を見かけ、何だろう?と思っていたら、ご縁があり、昨日「街のイスキア」の開所式にお邪魔させていただきました。「イスキア」の意味については『森のイスキア』で検索いただくといろいろ出てきます。私の理解だと、青森で佐藤初女さんという方が主宰されていた『心・体を病めた人を手料理で迎え、一緒に食べることで心を開き、痛みを分かち合う癒しの場』です。
その理念を受け継ぎ、最期のときを自宅で迎えたい方のために様々な緩和ケアを提供するのが「街のイスキア」です。
「訪問ナースステーション」というと聞き慣れませんが、自宅で療養したい方に看護師が尋ねて看護を提供してくれます。よく、「住み慣れた自宅で最期を迎えたい」というのはよく聞く言葉ですが、それが難しいという現実があります。病気は病院で管理するという考え方が根強く、まだ自宅で看取りができる環境は整っていないそうです。しかし、病院の3ヶ月ルール(65歳以上の方が3ヶ月を超えて入院すると医療点数が下がるため、病院から退院または転院を進められる。)で病院を転々としなければならない問題、また今後の病床数の不足が顕在化する中、在宅医療はその解決策の一つとして、訪問看護センターは増えているそうです。
最期を迎えられる方が医療ケアを受け、家族がお世話をすることは想像しただけでも大変だと思います。
しかし、看取りはご本人にとっても、家族にとってもしっかりと全うすることで、最期を受け入れられるのでないかと思っています。
目黒区政は今月から「介護予防・日常生活支援総合事業」が始まり、こちらは健康寿命を延ばそうという目的です。まだまだ介護予防に力を入れて行く段階で、その先の終末期ケアはまだまだ先です。しかし、医療、介護、地域、家の連携や支援には行政のアプローチが必要不可欠です。今後、どのように関われるのかを模索していけたらと思います。
最期に、御馳走が写っている写真について一言。
開所式で振る舞われた御馳走です。こちらの「街のイスキア」では、『食』へのこだわりがあり、私がシンパシーを感じたところです。終末期では、食事を取れなくなる方には柔らかいものなど、いろいろ工夫があるかと思いますが、やはり美味しいものを食べる、きちんと作られたものを食べるのは幸せです。訪問看護で「食」にこだわっているところはなかなかないそうです。
日々の食事、そして最期の食事、大切にしていきたいですね。